漫画「いまかこ」のあらすじと感想(ネタバレ有り)

今回は、松浦だるまさんの短編漫画「いまかこ」のあらすじや感想(若干のネタバレ含む)を紹介をしていきます！

本作品「いまかこ」は「生と死」をメインテーマとしている物語。

今はもう無い''場所の幽霊''が視える男と死んだ人の''音''が聞こえる少女の苦悩と葛藤を描いたヒューマンドラマです。

少し重い作品ではありますが、読み終わった後は色々と考えさせられる物語でした。

推理・謎解きの要素もあるのでミステリー・サスペンス好きな方は楽しめるとおもいます。

※幽霊が出てきますがホラー的要素はないので、ホラーが苦手な人でも楽しめる作品です。

「いまかこ」のあらすじ(ネタバレ無し)

ここから先はネタバレを含みます。ネタバレを見たくない人はこちらをクリックし読み飛ばして下さい。

「いまかこ」の感想(ネタバレ有り)

ここから先は一部ネタバレを含みます。見たくない人はこちらをクリック。

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「最愛の人の死」を何とかして受け止めていく姿が切ない

場所の幽霊が見える「鶴見也徒」と死んだ人の''音''が聞こえる「早淵今」。

同じ共通点を持つ2人が出会い、だんだんと「最愛の人の死」受け入れようともがく姿がとても重く切ないです。

「最愛の人の死」は何の前触れもなく突然やってくるものであり、なかなか受け入れ難いものですよね。

読んでいて特に悲しいのが、「也徒」と「今」はその死が「場所」と「音」で確認できてしまうこと。

思い出したくない、見たくない過去がいつでもリアルに確認できてしまうのは想像を絶する苦しみであると思います。

「也徒」と「今」は同じ共通点を持つもの同士が出会ったことで、少しずつ前を向こうと努力していくのがとてもリアルに描かれています。

''音''の描写が不気味すぎる

「早淵今」の音が聞こえる描写が、とても不気味で恐ろしいです。

水に溺れる音とか鈴の音とかが擬音で表現されているのですが、その書き方がかなり怖くて絶望感が伝わってきます。

こんな不気味な音が毎日聞こえている「今」の苦しさがよくわかります。

そしてその苦しみを誰にも理解されず、抱えたまま苦しむ「今」の姿が切ない。

「也徒」と出会ったおかげで「今」が少しずつ心を開いていきます。

今後の展開は不明ですが、この出会いが2人にとって良い出会いとなることを願います。

続編はある？

現在1巻のみ発売ですが、続編はあるらしいです。

ただ、不定期連載のためいつ発売されるか未定です。

もし連載再開されれば、当ブログにて情報発信していきます。

1巻だけですが、1巻完結といっていいくらいスッキリまとめられており、とても読みやすかったです。

いまかこのまとめ

「人の死」という悲しく切ないテーマがよく伝わる作品でした。

「人の死を受け入れ、明るく前を向いて生きていく」というありきたりの話ではなく、「目を逸らしたい、受け入れたくない現実」から何とか向き合おうとする再生の物語です。

必死に現実と戦おうとするそれぞれの姿がとても切なく心に刺さるものがありました。

気になった方は、ぜひ読んでみて下さい。

最愛の人の死に直面した人たちのリアルで切ない心理描写を上手に描いた作品です。楽しいお話ではありませんが、読み終わった後にいろいろと考えさせられる作品です。

かなり重いテーマなので、明るく楽しい話が読みたい人にはオススメしません。

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